2025年6月6日、FPTジャパンが主催する「Nearshore Summit 2025」が福岡で開催され、日本を代表する多くの企業・技術機関のリーダーたちを含む約200名のゲストが参加しました。
本イベントにおいて、FPTはAIを中心としたニアショアサービスの拡大戦略を発表し、日本経済の回復と持続的な成長に貢献するというビジョンを共有しました。ディスカッションでは、BPO、システムのモダナイゼーション、ITとOTの統合、そしてFPTが注力する5つの重点分野(AI、半導体、デジタルオートモーティブ、デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーション)を中心に議論が行われました。

「Business Resilience(事業のレジリエンス)」をテーマに行われたプレゼンテーションで、FPTソフトウェア社長のファム・ミン・トゥアン氏は、「危機の中にチャンスがあり、チャンスの中にもリスクがある」という哲学を紹介し、FPTがどのようにして世界の変動に対応しているかを語りました。ベトナムの「人民戦争」の精神から着想を得た彼は、現場への権限委譲、成長を前提とした規律、柔軟な経営という教訓が、FPTがCOVID-19のような困難な状況でも成長を維持する鍵であると強調しました。
FPTは現在、88の拠点・30カ国に展開し、市場と言語の多様化に注力しています。人材ローテーション制度や「新幹線戦略」は、持続的成長のための重要な原動力であると彼は述べました。特にAIに対する「オールイン」の姿勢を明確にし、MilaやLanding AI、NVIDIAとの連携、専門的な職場環境の整備、「AI Residency」プログラムを通じた次世代リーダーの育成など、積極的な投資を進めていると説明しました。

グローバル化を進める一方で、FPTは学びを重視する企業文化、フラットな組織構造、そして社員同士の強い結びつきを大切にしています。「どんなに技術が進歩しても、最も重要なのはお客様とパートナーの信頼と共創の精神です」とトゥアン氏は強調しました。
ニアショア領域の顧客代表は、2015年から地図データ処理分野でFPTとの協業を開始した経緯を紹介しました。FPTは高品質な地理データベースの構築を支援し、ナビゲーション、自動運転、スマートモビリティのシステムに貢献してきました。当初5人だったチームは現在600人以上に拡大し、地形データの標準化、自動運転向け3Dマップの開発、AIによるデータ活用などの主要プロジェクトを担当。FPTの技術力だけでなく、柔軟な協業姿勢も高く評価されており、生産性を年間約20%向上させる効果があったと語りました。今後は、AIソリューションや次世代地図システムの共同開発をさらに加速させたいと期待を述べました。

FPTジャパンCROのグエン・ホアン・リン氏は、「福岡サミットは、技術だけでなくFPTの精神や企業文化を通じてお客様とつながる大切な架け橋」と語り、多くの参加者が3年連続でこのイベントに参加していると紹介しました。
FPTのニアショア事業責任者であるルオン・ホン・ハイ氏は、同地域における人材数が1,000人に近づいていると述べ、今回のサミットがネットワーク拡大と日本市場へのプレゼンス強化において極めて有効な手段であると強調しました。
会場外では、最新技術の展示やFPTチームとの交流ができる屋外ネットワーキングイベントも実施され、参加者との対話と体験の場が広がりました。
Thanh Tùng