最近、この鶴見寮を取材した特集映像がベトナムのVTV4チャンネルで放送され、異国の地で共に暮らす人々の絆や、助け合いの様子が、リアルで感動的な映像として届けられました。
現在、この寮にはFPT Japanで働く若手エンジニアたちが暮らしており、ここは、まるでひとつの大家族のように温かな空間となっています。ふるさとの味が感じられる食卓、伝統的な祝祭の空気――すべてがこの場所には揃っています。
中でも、最も長くこの寮に暮らしている年長者・ヴァンさんは、もう10年以上にわたり若者たちとともに日々の生活を支え合っています。毎日の食事作りや、寒食節のための団子作り、旧正月の装飾に至るまで、すべてが皆の手によって心を込めて営まれています。祭りのたびに並ぶベトナムの家庭料理は、故郷を想う心をつなぎ、寂しさを和らげてくれるのです。
VTV4の特集では、4月30日のベトナム南北統一記念日に向けて若者たちが練習していた文芸パフォーマンスの様子も紹介されました。ノンラー(ベトナムの笠)、アオザイ(民族衣装)、そして祖国の旋律が、日本の地に美しく響き渡ります。
そこには、まるで「小さなベトナム」が広がっているかのよう。民族としての文化的アイデンティティが大切に守られ、力強く発信されています。同時に、見る人の心に深く残るのは、困ったときは必ず誰かが手を差し伸べる――そんな在日ベトナム人コミュニティの結束と助け合いの精神です。
現在、日本にはおよそ60万人のベトナム人が暮らし、学んでいます。鶴見寮での文化活動は、離れていても心と心をつなぐ、目には見えないけれど確かな絆となって、異国にいてもふるさとの火を絶やすことなく燃やし続けています。
FPT Japan大阪拠点で働くエンジニア・カインホアさんもこう語っています。
「日本のどこにいても、私は“ベトナムの精神”を感じます。皆が助け合い、仕事でも生活でも支え合っています。その思いやりが、私たちに力と誇りを与えてくれるのです。」
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