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木曜日, 6月 26, 2025

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FJP Kizuna #03: 音楽が照らす医療への道

静かな夏の午後、FPTジャパンのオフィスに、ピアノの音色がやさしく響き渡る。それは、トーマス(ベトナム名:チュン)という、現在アメリカでプレメディカル(医学進学準備)課程を学ぶ学生の内なる世界へとつながる扉のようだった。

FPT社員の家族であるチュンは、今回FPTジャパンのオフィスを訪れ、日本の医療制度や、近年日常生活——特にヘルスケア分野——において急速に進むAIの活用について学ぶため、GHCプロジェクトチームと面会する機会を得た。

「ここにピアノがあったので、思ったんです。音楽で自分の医療の旅を語ってみたらどうだろうって」——チュンはそう語りながら、微笑みとともに動画の冒頭を飾った。彼にとって音楽は、単なる趣味ではない。インスピレーションの源であり、記憶とつながる糸。とりわけ、アルツハイマーを患った最愛の祖母との思い出に強く結びついている。

「祖母の記憶が薄れていくにつれ、彼女の世界も静かになっていきました。でも、僕がピアノを弾くと、祖母の目が輝いたんです」——チュンはそう振り返る。彼にとって鍵盤の音は、ただの音ではなかった。それは人とのつながりであり、大切な人の面影を守る手段であり、祖母に安心と愛を届けるものであり、病とともにある日々の中でも「自分らしさ」を感じてもらう術でもあった。この深い体験が、医療の道を目指す最初の種となった。

アメリカでの厳しい勉強生活の中、音楽はチュンにとって心のバランスを保つ手段でもある。「ピアノを弾くと、気持ちが落ち着きます。僕にとって音楽は感情を癒す場所であり、それは医師を目指す長い道のりにおいてとても大切なんです」。彼は、音楽と医療が交差する地点に、科学と芸術の出会いがあると信じている。彼にとって「治す」とは、薬だけではなく、相手を理解し、つながり、そして分かち合う力でもある。

FJP Kizuna(絆) は、FPTジャパンのメンバーたちの仕事、情熱、そして個人としての成長を描く、日常の中にある感動の物語を記録した動画シリーズです。「絆」とは日本語で、人と人とをつなぐ強く優しいつながりを意味します。20年間にわたり、FPTジャパンは単なるテクノロジー企業にとどまらず、価値観と心を共有するコミュニティとして成長してきました。

チュンのような一人ひとりの物語が、FPTジャパンのかけがえのない個性を形づくる感情のピースとなっているのです——技術と人が響き合い、知と心が共に歩む場所で。

Thanh Tùng

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