Generative AI（生成AI）は、技術業界において重要なトレンドとなり、多様な応用分野と革新的な可能性を持つ分野として注目されています。将来的に企業に広範な影響を与えることを認識し、FJPはこの技術の機会を最大限に活用するため、専属の組織FAIを設立しました。
2022年末にOpenAIがChatGPTを発表して以来、生成AIは瞬く間に世界的な現象となりました。この技術は、年間2.6兆ドルから4.4兆ドルの経済貢献が見込まれており、また、生産やビジネスの運営コストを年間1.4兆ドルから2.6兆ドル削減できると予測されています。
KPMGの調査によると、78％の企業リーダーが生成AIが今後3〜5年で最も影響力のある技術になると信じています。このトレンドを認識し、FPTはAIを将来の5つの成長「エンジン（推進力）」の1つとして位置付けました。
FSOFTでは、AIC、DXG、QAI、FCJ.ABCなど、多くの部門がAIやデータ分析に関連するサービスやソリューションを提供していますが、FJPではこれまでAI専任の部門がありませんでした。そこで、2023年9月にFAIが設立され、FCJ社長のグエン・フー・ロン氏が兼任でFAIディレクターとなり、副ディレクターとしてホー・ビエット・ホン氏が任命されました。
FAIの設立は、2024年4月にFPTがNvidiaと契約を締結し、GPUクラウド分野でエリートパートナーとなった特別な背景を持っています。FPTは、ベトナムと日本にAIファクトリーを設立するために2億ドルの投資を決定し、最先端のNvidiaのHPCシステムを備えたデータセンターを構築します。
FAIの使命は、日本市場における「データ＆AI」ビジネスの数十億ドル規模の成長を促進することです。このため、FPT、FSOFT、FJPの「データ＆AI」に関する全ての能力を統合し、デリバリーチームを支援して実行力を向上させます。
ホー・ビエット・ホン氏によれば、日本市場にはAIとデータ分析に特化したプロジェクトが少なくないものの、これらは小規模でPoC段階に留まっていることが多いといいます。しかし、FPTによって展開されたAI技術は、多くの大規模プロジェクトに適用され、生産性の向上や製品の品質向上に寄与しています。
2025年初頭には、FAIはデータセンターを設立し、クラウドサービスを提供する予定です。これにより、FPTの5つの戦略分野、すなわちAI、半導体、オートモーティブ、デジタルトランスフォーメーション（DX）、グリーントランスフォーメーション（GX）に基づいた成長戦略が実現し、FJPは2027年までに10億ドルの売上目標を達成することを目指します。
この一歩を踏み出すため、FAIはAIクラウドに関連する2つの主要分野、すなわちクラウドとAIシステム統合における人材の補充を進めています。「AIクラウドはNvidiaのHPCインフラ上で稼働しているため、NeMo、RAPIDS、Metropolis、OmniverseといったNvidiaのフレームワークに精通したエンジニアが必要です。現在、FCJの一部のクラウドおよびAI専門家がFAIの業務も兼務しています」と、ホン氏は述べています。
また、FAIは日本におけるAI統合の構築を進めるために、優秀な人材の採用を積極的に行っており、AIC、DXG、QAI、FCJおよびVIの各部門とも協力し、R&D、ソリューション、産業全体の価値を充実させる組織体制を整えています。
「当面の間、FSOFTのCAIOであるグエン・スアン・フォンがFAIのエグゼクティブボードに直接参加し、AIに関する方向性や戦略を指導します。また、ビッグ4のコンサルティング会社、SIティア1企業、大手金融機関の多くの上級専門家もFAIの組織に加わる予定です」とFAIのディレクター、グエン・フー・ロンは述べています。
